仕事では目標を分解して、今月の進捗を確かめている。ところが水泳になると、「次の大会は自己ベスト」「今月はもっと泳ぐ」で終わってしまう。忙しいなかで練習時間を確保しても、それが目標タイムにどうつながるのか見えにくいことがあります。

大人の水泳に目標管理を取り入れるなら、出したいタイムをレースの局面に分け、改善したい動きを決めて、今週の予定まで落とすと使いやすくなります。泳ぐ内容に加え、筋トレ、食事、睡眠も同じ計画の中で考えます。

この記事では、すでに50mバタフライを泳げる社会人が、12週間後の大会で長水路の記録を35.0秒から33.0秒へ縮める例を扱います。平日は仕事があり、水泳は週3回、筋トレは週2枠を取れるという設定です。タイム配分・練習量・予定表は、目標管理の使い方を示す架空の例です。

才流のKPI解説を参考に、目標の分解から指標の選択、行動、振り返りまでを水泳に当てはめました。以下のレース分析、ツリー、管理表は、水泳の一次資料を踏まえて編集部が独自に作成しています。

水泳のKGI・KPIは、目標タイムと練習の役割を分けて考える

KGIは最終的な目標の達成を判断する指標、KPIはそこへ向かう進み具合を追う指標です。さらに、「今回は何が記録更新の鍵になるか」という仮説をKSFと呼びます。水泳では次のように置けます。

役割50mバタフライの例
KGI:大会で達成したい結果12週間後の長水路50mバタフライで33.0秒以内
主要KPI:重点的に追う成績35〜45mの区間タイム、合図から15mまでのタイム
観察する指標:原因を探る材料後半のストローク周期、呼吸で頭を戻す時期、浮き上がりの位置
活動KPI:自分で予定し、実行すること課題を決めた水中練習を週2回、動画確認を週1回
KSF:今回の鍵と考えること後半も呼吸と腕の戻しをつなぎ、失速を抑えること

たとえば「週3回泳ぐ」は、行動ができたかを判断する数字です。3回泳げても、後半の動きが変わったとは限りません。一方で、区間タイムだけを眺めても、明日の練習内容は決まりません。結果・動作・行動をつなげて持つのが、この管理表の使い方です。

KSFは最初から確定した原因ではありません。「後半で頭を戻すのが遅れることが、今回の課題ではないか」と仮置きし、映像と練習で確かめます。

50mバタフライの35秒を、5つの区間に分解する

50mプールの片道を泳ぐ長水路では、途中のターンはありません。今回は、出発の合図から15m、その後を10mずつ、最後は45mからゴールタッチまでに区切ります。15・25・35・45mで区切る方法は、欧州選手権の50mレースを分析した研究を参考にしています。

途中は頭の同じ目印が通過した瞬間、最後は手が壁に触れた瞬間を使います。区間の始点と終点をそろえることで、重複せずに足せます。

レースの区間現在の例目標配分短縮幅
出発の合図〜15m8.0秒7.6秒0.4秒
15〜25m7.2秒6.9秒0.3秒
25〜35m7.6秒7.3秒0.3秒
35〜45m8.4秒7.6秒0.8秒
45m〜ゴールタッチ3.8秒3.6秒0.2秒
合計35.0秒33.0秒2.0秒

目標は 7.6+6.9+7.3+7.6+3.6=33.0秒。この例では、35〜45mの短縮に最も大きな配分を置きました。同じ10mでも、15〜25mの7.2秒に対し、35〜45mは8.4秒かかっているためです。

ただし、その差が丸ごと伸びしろになるわけではありません。前半の泳ぎ方が後半に影響するので、どの区間も独立に好きなだけ速められるものではありません。最初の配分は計画案として置き、練習と再計測で実現性を見直します。

なお、最後の区間は「頭の45m通過から、手のタッチまで」です。頭がさらに正確に5m進む時間ではないため、単純な「5m÷秒」を身体の泳速として使うことはしません。

スタートからフィニッシュまでの詳細なKPIツリー

次のツリーは、上から「レース全体→区間→動作→観察・練習」の順に読むと、何を変えるために練習するのかをたどれます。枝の見出しを押すと、開閉できます。

上位5区間の秒数は足し算、その下の動作と練習は改善を考えるための仮説です。すべての枝を毎週測る必要はありません。まず全体を見渡し、今回追う枝を選びます。

長水路50mバタフライ35.0秒 → 33.0秒5区間の時間を足すと、50mの時間になる
① 合図から15mまで8.0秒 → 7.6秒
  • 合図から、台を完全に離れるまで
    • 構え:足の位置、重心、合図を待つ姿勢をそろえる。
    • 蹴り出し:合図から離台までの時間と、入水後を含む15mの時間をセットで比べる。
  • 台を離れてから、手が最初に水へ触れるまで
    • 空中姿勢:手の入水位置と、手に続いて身体が入る様子を横から見る。
    • 練習:コーチと入水の課題を決め、同じ条件で15mまで測り直す。
  • 手の入水から、頭が水面に現れるまで
    • 入水・グライド:全身が入ってから、最初のキックへ移る姿勢とタイミング。
    • 潜水ドルフィン:キックの回数、開始する場面、頭が浮き上がる位置。
    • 初回のかき:最後のキック、最初の腕のかき、頭の浮上がどうつながるか。
    • 練習:浮き上がりで間が空くなら、短い距離でキックから最初のかきへの移行を確かめる。
  • 頭が水面に現れてから、頭の15m通過まで
    • 水面への移行:最初の水面ストロークと呼吸をつなぐ。
    • 練習:浮上直後に頭が上がったままになっていないか撮影し、15m以降もリズムが続くかを見る。
② 15〜25mの泳ぎ7.2秒 → 6.9秒
  • 腕の周期と、進んでいる速さ
    • 同じ数え方でストローク周期を測り、区間タイムと並べる。
    • 回転を上げたとき、実際の通過も速くなったかを確かめる。
  • 腕・キック・呼吸のタイミング
    • 腕のかき終わりとキックがどう重なるかを見る。
    • 肩が水面から上がる時期に呼吸動作を始め、口が出てから吸う。腕の入水前に頭を戻せているかを見る。
    • 練習:タイミングを一つ選び、短い距離で泳いで撮影する。
③ 25〜35mの泳ぎ7.6秒 → 7.3秒
  • 前の10mから変わった動き
    • 腕の周期、呼吸する場面、頭を戻す時期を15〜25mと比べる。
    • 呼吸後に腕を前へ戻しにくくなっていないかを見る。
  • 中盤でも続けたい動き
    • 「腕の入水前に頭を戻す」など、選んだ課題ができた回と崩れた回を残す。
    • 練習:前半だけできて終わらず、中盤までつながるかを確かめる。
④ 35〜45mの泳ぎ8.4秒 → 7.6秒
  • 終盤の失速が始まる場面
    • 腕の戻り方、呼吸で頭を上げている時間、腕とキックのずれを中盤と比べる。
    • 周期が遅くなったのか、回しても進まなくなったのかを、映像と時間で探る。
  • 疲れてきても続けたい動き
    • 練習:崩れる動きを一つ選び、十分に休みながら短い反復で合わせる。
    • 再計測:その動きが50mの終盤でも続くかを見る。前半が遅くなっただけで後半が改善していないか、全区間を並べる。
⑤ 45mからゴールタッチまで3.8秒 → 3.6秒
  • 最後のかきと、壁までの距離
    • 最後の手の入水からタッチまでを見る。長く伸びているのか、近すぎて動きが詰まるのかを確かめる。
    • 練習:最後の数ストロークを含めて壁へ泳ぎ、かき終わりとタッチの距離感を合わせる。
  • 両手を離して、同時にタッチ
    • 練習でも壁に触れるまで泳ぐ。左右の手の接触が分かる角度の動画を残す。

スタートの最初の枝は、台上・空中・水中・浮上後という研究で使われる4局面を参考に、計測の境界を具体化したものです。「合図から離台まで」には身体を動かして蹴り出す時間も含むため、純粋な反応時間とは呼びません。

出発の合図、離台、手の入水、頭の浮上、頭の15m通過という5つの境界で、スタートの時間を4つに分ける図

編集部作成。矢印は時間の順序を示す模式図で、間隔は時間や距離の縮尺ではありません。5つの境界の間に、4つの区間があります。⑤は頭の中央付近を目印にした例です。実際に測るときも、採用した頭の目印を各通過点でそろえます。

潜水ドルフィンと初回のかき、浮き上がりは動作が重なることがあります。それぞれに秒数を割り振って足すと二重計上になるため、上のツリーでは動作の観察点にしています。

呼吸の枝はUSMSのタイミング解説を参考にしています。呼吸で身体が沈む原因とタイミングの図解も併せて使えます。飛び込みは許可された場所でコーチの指導を受け、潜る距離や息止め回数を伸ばすこと自体を目標にしないでください。国内マスターズでも、スタート後は15mまでに頭を水面上へ出す必要があります。日本マスターズ水泳協会の競技規則

今回は「35〜45mの失速」を優先課題にする

ツリーを書いた後は、手を広げすぎないために優先順位を付けます。今回の仮の選手は、前半には腕が水面上を戻っているのに、後半では呼吸後に頭を戻すのが遅れ、腕も戻しにくくなっていたとします。そこで、35〜45mを主要KPIに選びます。

選ぶ理由は、短縮幅が大きいことだけではありません。映像に動作の変化があり、練習でその場面を扱え、次に同じ条件で測れるからです。スタートも改善候補に残しつつ、今週の水中練習では後半の動きに重点を置きます。

仮説から行動までこの選手の例
観測した問題35〜45mが8.4秒。後半は頭を戻す時期が遅れる
原因の仮説呼吸と腕の戻しがずれ、リズムを続けられていない
水中で試すこと短い反復で呼吸と頭を戻すタイミングを合わせる
陸上で取り組むこと慣れた筋トレを続け、翌日の泳ぎへの疲労も記録する
次に確かめること50mの後半でも動きが続き、35〜45mの時間が変わるか

水中練習の具体例なら、アップの後に25mバタフライを4本、各本の後に十分な休息を取り、2本を撮影する枠を考えられます。今回は「腕の入水前に頭を戻す」ことを観察し、タイムも残します。本数や休息は泳力と施設に合わせて調整します。

この25mの練習は、呼吸の動きを確かめるものです。25mでできたことと、50mの終盤でできることは、別に確かめます。 後日、50mを測る機会に35〜45mの映像を見て、練習した動きが続くか判断します。バタフライですぐ疲れるときの練習には、短い反復で動きを整える考え方を載せています。

ストローク数を減らすことも、回転数を上げることも、単独では成功の判定になりません。同じ区間で回数が減っても遅くなっていれば、速く泳ぐ目的には近づいていないかもしれません。ピッチとストローク長の関係のように、時間と一緒に読みます。

筋トレ・食事・睡眠も、レースの課題につながる行動にする

水泳の計画をプールの中だけで完結させると、残業で食事を抜いた日も、筋トレの疲労が残った日も、同じメニューをこなそうとしがちです。水中で狙った練習をするために、生活側の準備もツリーへ加えます。

今週の課題呼吸と腕の戻しをつなぐ各枝で準備し、水中のタイムと動きで確かめる
水中練習で動きを合わせる
  • 技術:短い反復で呼吸と頭を戻す時期を練習する。
  • 撮影:できた回と崩れた回を比べる。
  • 転用:50mの後半にも動きが続くか再計測する。
筋力と身体の使い方を整える
  • 脚・股関節:スクワットやヒップヒンジ。
  • 上半身:ローや腕立てなど、慣れた引く・押す動作。
  • 体幹:デッドバグなどで姿勢を保つ練習。
  • 可動域:腕を上げる動きや肩まわりの動かしやすさを確認し、コーチと課題を共有する。
食事と水分を準備する
  • 練習前:昼食から時間が空く日は、食べやすい軽食を用意する。
  • 練習後:主食とたんぱく源のある夕食を確保する。
  • 水分:飲み物を準備し、練習前後にも補給する。
睡眠・疲労・仕事の予定を調整する
  • 睡眠:起床時刻から逆算して、寝る時間を確保する。
  • 疲労:朝の回復感、筋肉の張り、アップの重さを残す。
  • 予定:残業や出張の週は、重点練習と休養の配置を決め直す。

これらの枝は、取り組みの候補です。筋トレの重量や睡眠時間を足して33秒を作る式ではなく、複数のレース局面を支える行動として置いています。

筋トレは、重量の伸びと水中の変化を別々に記録する

種目を選ぶときは、泳ぎのどこを変えたいのかまで書きます。スタートのために脚で押す能力を高めたいのか、後半の動きを支える上半身や体幹の課題に取り組むのかで、確かめる水中の場面が違います。

動作と種目の例陸上で記録すること水中で確かめること
しゃがむ:スクワット重量・回数・セット数・姿勢合図から15mのタイムと蹴り出し
股関節を使う:ヒップヒンジ姿勢を保てたか、負荷と余裕スタートや水中姿勢の変化
引く:バンドやマシンのロー負荷・回数・動作の安定後半の腕の動きと区間タイム
押す:台に手をつく腕立て台の高さ・回数・余裕筋トレ後の泳ぎに疲労が残るか
体幹を保つ:デッドバグ回数と姿勢を保てたか後半の姿勢やリズムの変化

この対応は、課題と練習を結ぶための仮説です。ヒップヒンジが水中のドルフィンキックをそのまま再現する、といった意味ではありません。経験のない種目は、軽い負荷で動作を確認できる条件から始めます。

大学泳者27人を対象とした6週間の研究では、筋トレの方法によって15mスタートや短距離自由形などの成績に違いが出ています。ただし、社会人の50mバタフライに、この表の種目や週2回が最適だと示した研究ではありません。

記録は「スクワット8kg・8回・2セット。姿勢を保てた。翌日の脚の張りは軽い」のように残せます。これは書式の例です。重量が増えたのに水中の変化が分からなければ、動作へのつながりや筋トレ後の疲労も点検します。

仕事帰りに泳ぐ日は、食べる時間も予定に入れる

退勤後に泳ぐ社会人なら、「何を食べるか」の前に「いつ食べられるか」が課題になることがあります。昼食から何時間も空いたまま泳ぎ、帰宅すると疲れて夕食も簡単に済ませる。そんな日が続くなら、練習と同じように食事の枠を確保します。

仕事と練習の予定準備することの例
昼食から夜の練習まで空くおにぎり、バナナ、パンなど、自分の胃腸と食べる時刻に合う軽食を用意する
泳いでから夕食まで遠い果物とヨーグルト、卵のサンドイッチなどを候補に、夕食までのつなぎを考える
帰宅後に夕食を取れるご飯などの主食、魚・卵・豆腐などのたんぱく源、野菜を組み合わせる
会議で食事を抜きやすい昼食の枠を予定に入れ、飲み物と軽食を持って出る

練習前は炭水化物を含む食事・軽食、練習後は炭水化物とたんぱく質を含む食事、水分補給を考えるという行政の栄養情報を、日本の生活で選びやすい食品例に置き換えています。量や食品は活動量や胃腸の反応に合わせます。

ここでの活動目標は「練習日に必要な食事を取れる予定にする」ことです。速くなるために体重も落とそうと、食事制限を同時に追加する必要はありません。練習に見合う食事が長く不足すると健康やパフォーマンスに影響することは、オーストラリア国立スポーツ研究所(AIS)も説明しています。

朝練を増やす前に、寝る時間と翌朝の状態を確かめる

睡眠を予定表に書かないまま練習だけ増やすと、残業のしわ寄せが睡眠へ行きます。朝6時に起きるなら、寝る支度を何時に始めるかまで逆算します。

オーストラリアの18〜64歳向け指針は、質のよい睡眠を7〜9時間取ることを勧めています。この範囲を予定の出発点にし、眠れた時間、朝の回復感、日中の眠気も見ます。競技タイムが何秒縮むかを換算する数字ではありません。

コンディショニングの記録は、「睡眠・筋肉の張り・仕事の忙しさ・アップの重さ」程度から始められます。普段との違いが分かれば、長い採点表は要りません。残業続きで睡眠が短く、アップから普段より重い日は、速い泳ぎや筋トレを軽くする、休むといった変更を予定に含めます。

週3回の水泳と筋トレを、仕事のある1週間に配置する

この選手は、水泳3回と筋トレ2枠を確保できる設定です。水泳は40〜60分、筋トレは30分の枠とし、水中で課題を試す日、測る日、予定を入れない日を分けます。移動や着替えも含めて、生活の中に収まるかを確かめてください。

曜日予定の例その日に残すこと
月筋トレ30分慣れた種目の負荷・回数・余裕
火水泳40〜60分:呼吸と腕の戻し選んだ動き、タイム、月曜の疲労
水運動の予定を入れない残業や生活の用事、睡眠の確保
木水泳40〜60分:課題を反復できた回と崩れた回、動画
金筋トレ30分月曜からの負荷と水中の状態
土運動の予定を入れない回復と生活の用事
日水泳40〜60分+振り返り10分必要な区間の計測、次週の変更

日曜日に毎回50mを全力で測る、という意味ではありません。短い距離で動きを確かめる週と、50mの中でつながりを見る週を、コーチと決めます。月曜の筋トレの張りが火曜まで強く残るなら、曜日や負荷を動かします。

残業で木曜に泳げない週は、日曜に重点練習を寄せる、火曜と日曜の2回に絞るなど、今週の課題を残せる予定へ変えます。未実施分を翌日にまとめて消化するルールにはしません。

12週間の進め方も、最初に粗く置いておけます。

期間計画の中で行うこと
1〜2週目現在の動画・区間タイムを残し、食事や移動を含めて週間予定を試す
3〜8週目課題の動きを練習。筋トレも記録し、数週ごとに同じ条件で水中の変化を見る
9〜10週目全区間を並べ、33秒の配分案と重点課題を見直す
11〜12週目コーチと大会までの練習を調整し、食事・睡眠・当日の行動を整える

これは進行管理の例であり、誰でも12週間で2秒速くなる計画ではありません。大会直前になって慣れない筋トレを増やすより、ここまでの記録を基に調整します。

KPI管理表には、数字と「次に変えること」を並べる

詳細なツリーを毎週そのまま管理表にすると、入力だけで時間がかかります。普段見るのは、重点区間、練習した動き、実施状況、回復状態に絞ります。次は4週目の架空の記録です。

管理する項目4週目の記録例次に行うこと
KGI:大会33.0秒以内大会前のため未評価練習タイムを公式記録の欄へ入れない
35〜45m:目標7.6秒動画推定8.2秒。基準の8.4秒から短縮同条件で再確認し、他区間も並べる
後半の呼吸動作頭を戻せた回と、遅れた回が混在遅れた直前の腕・キックを動画で確認
課題練習:週2回1回実施。木曜は残業次週は混みやすい曜日を避けて配置
動画確認:週1回日曜に実施次にコーチへ見てもらう場面を残す
回復と生活残業した翌朝は眠気が強かったその翌日の早朝練習を入れない

8.4秒から8.2秒になっても、呼吸の練習だけの効果とは決められません。前半を抑えた、計測条件が変わった、疲労が少なかったという可能性もあります。数字とその日の条件を並べて判断します。

スマートフォンのメモへコピーするなら、次の欄だけでも始められます。詳しいメニューは練習記録のひな形へ残せます。

大会・種目・水路:
現在の公式記録/目標/期限:
重点区間と目標値:
今回の原因の仮説:

今週の課題練習(曜日・内容):
測定条件と結果:
動画で見えた動き:
筋トレの実施と翌日の状態:
食事・睡眠・仕事で困った場面:

予定を変えた理由:
来週に試す変更:
次に同じ条件で測る日:

タイムが伸びない週の対応も、先に決めておく

数字が止まったときに、毎回「練習を増やす」へ戻らないよう、対応を決めておきます。

  • 課題練習ができなかった: 時間・混雑・体調のどこで予定が崩れたかを見て、実行できる曜日と内容へ変える。
  • 実施したが、動作は変わらなかった: 指示が曖昧だったのか、短い距離でも難しかったのかを動画で確認し、コーチと練習を選び直す。
  • 動作は変わったが、区間タイムは変わらなかった: 回数や見た目だけを成功にせず、速度、他の動き、計測条件を合わせて見る。
  • 後半は速くなったが、50m全体は遅くなった: 前半との配分を点検し、全体で目標に近づくかを判断する。
  • 疲労が強く、普段の泳ぎができなかった: その測定だけで方針を変えず、負荷と生活の予定を調整してから確かめる。

区間を測る条件と、短水路でのツリーの変え方

区間タイムは、比べる条件をそろえて使います。動画から測った値は推定値として残し、大会の公式記録とは別欄にします。合計が公式タイムと違っていても、区間へ差を配って帳尻を合わせません。

撮影では、出発の合図からタッチまでを連続して残し、距離の目印と頭の通過が分かる画角を使います。Aquatics GBの撮影ガイドは30fps以上、可能なら50〜60fpsを案内しています。60fpsならフレーム間隔は約0.017秒ですが、それが計測の誤差を保証するわけではありません。

スローモーション映像は、撮影と再生の速度を確認し、再生画面の秒数をそのまま実時間にしないよう注意します。Kinoveaの時間校正の説明

水しぶきで見えない場面や、距離が特定できない区間は未計測にします。無理に小数点以下を埋めるより、見える範囲で広い区間へまとめる方が、次回も比べやすくなります。

実際の動画で区間を測るときは、レース動画の区間タイムの測り方の記録例を使えます。合図・通過・タッチのフレームを先に残し、その差から区間タイムを求めます。

ストローク周期も数え方を固定します。バタフライで「両手の入水→次の両手の入水」を1周期にするなら、4回の入水の間に3周期があります。3回の入水を数えて3周期としないよう、ストロークの数え方も確認してください。

25mプールの短水路50mでは、途中にターンが1回入ります。たとえば、次の5区間に置き換えます。

  1. 出発の合図→頭の15m通過
  2. 頭の15m通過→25mの壁へ手がタッチ
  3. 25mの手のタッチ→ターン後10mの頭の通過(累積35m)
  4. 頭の35m通過→頭の45m通過
  5. 頭の45m通過→ゴールタッチ

3番には、壁で向きを変える動作、蹴り出しと、ターン後10mまでの泳ぎが含まれます。壁での時間を合計へもう一度足す必要はありません。この区切り方は、短水路50mバタフライのスタートとターンを調べた研究を参考にしたものです。

長水路と短水路、飛び込みと壁蹴りでは条件が違います。練習タイムと試合タイムの違いを踏まえ、それぞれの記録でツリーを作ってください。

大会が終わったら、50m全体と区間、実際に取り組んだ練習を並べます。33秒に届いたかだけでなく、どの区間が変わったのかを残せば、次の大会へ向けた計画も具体的になります。

参考資料

資料の最終確認:2026年9月9日。タイム、選手の観察例、筋トレの記録例、週間・12週間の予定、管理表は説明用の設定です。