背泳ぎで壁が近づくと、あと何回かけばよいか分からなくなる。早く手を伸ばしすぎて止まったり、最後に腕を回しすぎたりするなら、プールの両端にあるフラッグを使って距離感を確かめます。

フラッグから壁までは競泳のメートルプールで5m。ただし、そこから何回かくかは人によって違います。練習で確認した回数も、泳ぐ速さやタッチの仕方が変われば、そのまま使えるとは限りません。

フラッグから壁までは5m。回数は自分で確かめる

World Aquaticsの2026年2月版規則では、背泳ぎ用のフラッグは両端の壁から5.0mの位置に設置します。25mプールでも50mプールでも、この壁際の距離は同じです。公式競技規則 Part Two 15.9.1

旗は「もう壁が近い」という目印で、残りのストローク数を指定するものではありません。腕の長さ、1回で進む距離、泳ぐ速さが違えば、必要な回数も変わります。米国のマスターズ水泳団体USMSも、フィニッシュとターン、それぞれの速さで自分の回数を確認するよう案内しています。USMSのフラッグ活用ガイド

フラッグ真下から壁までの5m区間と、片腕の入水回数・最後にタッチする手を確認する位置図

旗の真下から壁までを示す模式図です。①②は確認の順番で、ストローク数ではありません。縮尺や腕の細かな動きは省略しています。

普段使う施設にも同じ位置に旗があるか、泳ぐ前に見ておきます。旗がない、外されている、位置が分からない場合は、覚えた回数だけを頼りに壁へ向かわないでください。

「片腕で1回」と、数え始める場所をそろえる

ここでは記録のずれを防ぐため、次の数え方を使います。

  • 頭がフラッグの真下を通過した後から数える
  • 右手でも左手でも、片腕が入水するたびに1回とする
  • 最後に壁へ伸ばしてタッチする手は、入水回数とは別に記録する

これは競技規則で決められた数え方ではなく、練習を比べるための約束です。コーチから別の数え方を教わっているなら、その方法で統一します。

「左右両方を回して1回」と数える人と、「右で1回、左で2回」と数える人では、数字が違って当然です。記録には単に「○回」と書かず、「片腕の入水で数えた」と添えておくと、後から動画とも照合しやすくなります。ストローク数と1サイクルの違いも確認しておくと混乱しません。

旗が視界に入った瞬間から数える方法と、頭が真下を通った後から数える方法も混ぜないようにします。見え始める位置には目線の影響があるため、補助者に横から見てもらうと始点を確認できます。

最初は壁に届く前に止まり、残りの距離を見る

初回から全力で壁へ向かい、何回でぶつかるか試す練習にはしません。止まれる場所と前後の間隔を確保し、慣れないうちは指導者に見てもらいます。途中で止まれない共用レーンでは、この確認を行わないでください。レーンでの休憩と進路のルールは施設の案内を優先します。

USMSでは、短い回数だけ泳いで片腕を頭の先へ伸ばし、止まったところで壁との距離を確認する方法を紹介しています。最初に残距離を把握し、その後の試行で調整する考え方です。確認手順の出典

自分の記録は、次のように残せます。空欄に実際に確認した内容を記入してください。

確認すること記録する内容
どちらの壁かスタート側/反対側
泳ぐ速さ楽な泳ぎ/レースに近い泳ぎ
数えた入水回数片腕で__回
最後に触った手右手/左手
タッチの状態手前で止まった/届いた/近すぎた

入水回数が同じでも、「手前で止まってから伸ばした」と「流れを保って届いた」ではタッチの内容が違います。数字と一緒に、壁際で起きたことを短く残します。

フィニッシュとターンは別々に記録する

ゴールは壁に触れるところまで。ターンは壁の手前で回転へ入るところも含むので、同じ回数をそのまま当てはめません。USMSも両者を別に確認するよう説明しています。USMS

競技で背泳ぎをフィニッシュするときは、仰向けの状態で壁に触れる必要があります。この記事のタッチ確認も、その姿勢を前提にしています。ターンの回転方法まで初めて練習する場合は、距離の確認とまとめて独学で進めず、指導者に動作を見てもらいましょう。World Aquatics規則 Part Two 6.4・6.5

途中で進路が曲がると、壁までの距離感も確認しにくくなります。回数が毎回大きくばらつくなら、背泳ぎの頭の揺れと入水の左右差を見直す材料にしてください。

大会では試合用プールの両端で確認する

慣れたプールの回数は、初めての会場で確認を始めるための手掛かりです。本番の答えとして持ち込まず、公式練習でフラッグの見え方とタッチを確かめます。可能なら競技に使うプールの両端で、楽な泳ぎだけでなくレースに近い速さも確認しておきます。USMSの会場確認の案内

公式練習の時間やレーン用途によって、できる確認は変わります。会場の指示に従い、混雑時に何度も途中停止したり、後ろから来る泳者の進路をふさいだりしないようにします。

初めての水泳大会の準備リストには、持ち物に加えて「背泳ぎの両端の壁を確認する」と書き足しておくと、当日に思い出せます。回数を暗記するだけで終えず、その回数でどの手がどの位置まで届いたかを確かめておきましょう。

参考資料