どのレーンに入ればいいのか。前の人に追いついたら抜いてよいのか。一般開放のプールでは、泳ぐ技術とは別に、周りの人と同じコースを使うための戸惑いがあります。

「右側を泳ぐ」「速い人に道を譲る」といった知識だけでは、その場のルールまでは分かりません。泳ぐ方向、追い越し、道具の使用条件は、利用する施設の表示とスタッフの案内が優先です。初めての場所では、入水前にコースの使い方を聞いておきましょう。

コースの表示で、泳ぐ方向と利用目的を確かめる

同じプールでも、泳ぎ続けるコース、水中ウォーキングのコース、水に慣れるための場所など、用途が分かれていることがあります。「フリー」「遊泳」「完泳」といった名称だけで判断せず、そのコースで何ができるかを表示で読みます。

確認するのは、利用目的に加えて、出発する側と戻ってくる側です。1本のレーンの中で往復する運用も、行きと帰りで隣のコースへ移る運用もあります。梅丘中学校温水プールの完泳コースでは、原則として隣のコースへ移って泳ぐよう案内されています。コース利用の案内

そのため、以前のプールで右側通行だったからといって、新しい場所でも同じ向きに泳ぎ始めないようにします。折り返す場所、ターンをしてよいか、途中で立ってよいかまで分からなければ、「このコースは、どちら側から出て、どこで戻りますか」と聞くと具体的です。

25mを泳ぎ切るのがまだ難しい人は、途中で立つ練習ができる場所をスタッフに尋ねてください。空いた完泳コースに入ってから試すのではなく、利用できる場所と水深を確かめます。泳ぐ技能の練習は、大人の初心者が25mを目指す練習順で別に説明しています。

前の人に追いついても、追い越せるとは限らない

東京体育館は、個人利用のプールで追い越しを禁止しています。前の人がゆっくり泳いでいても、抜いてよい理由にはなりません。追い越しについてのFAQ

出発前には、前を泳ぐ人だけでなく、壁へ戻ってくる人や、折り返す人も見ます。ターンの直前へ割り込む形にならないよう、壁付近の動きが落ち着いてから出発してください。「必ず何秒あければ大丈夫」という共通の秒数は決められません。

すぐに追いついてしまうなら、次の出発を壁で待つ、自分のペースで使える別のコースがあるか聞く、といった対応を取ります。泳いでいる人の足に触れて合図する方法も、相手が了解しているとは限らないため、一般開放で当然のやり取りとして使わないようにしましょう。

逆に、後ろから追いつかれても、無理に速く泳ぎ続ける必要はありません。譲る場所や順番は施設の運用に合わせます。「壁に着いたら、どちらへ寄って待てばよいですか」と入水前に聞いておけば、その場で急に進路を変えずに済みます。

壁際で休むときは、到着とターンの場所を空ける

壁は、休憩する人だけでなく、泳ぎ終える人や折り返す人も使います。長く休むときには、コース内のどこでも立ってよいとは考えず、指定の待機場所やプールサイドの休憩場所へ移ります。

梅丘中学校温水プールも、コース中央で休むなど、ほかの利用者を妨げる行為を控えるよう案内しています。ただし、これを「どのプールでも壁の右端なら休んでよい」と読み替えることはできません。各コース利用に関するお願い

ゴーグルを直すために少し止まる場合も、次に人が着く場所をふさがない位置を使います。話し込む、道具を並べる、複数人で壁を占めるといった使い方は避けましょう。出発するときには、到着する人がいないかをもう一度確かめます。

疲れて休みたいときまで、周りに合わせて泳ぎ続ける必要はありません。安全に休める場所へ移り、困ったら近くのスタッフへ知らせてください。一斉休憩や安全点検の案内があれば、その指示に従って水から上がります。

フィンやパドルは、使えるコースまで確認する

練習道具は、施設に持ち込めることと、今いるコースで使えることが別です。横浜国際プールでは、フィンを使える場所が専用コースに限られ、用具にも条件があります。個人利用の案内

道具を使いたい日は、名前だけでなく、素材や大きさ、実物の写真も添えて問い合わせると話が通じやすくなります。同じ「パドル」でも形や材質が違うためです。初回の受付で実物を見てもらう場合も、許可を確認するまでは水中で使いません。

スマートウォッチにも、保護カバーなどの条件が設定されている施設があります。防水だから使える、ほかの人がつけているから自分の機種もよい、とは判断しないでください。東京体育館では、健康増進目的の腕時計型活動量計に、全体を覆う保護カバーを求めています。電子機器についてのFAQ

練習場所の候補はSwimHubのプール検索で探せます。利用する日のコース設定や、持ち込みたい道具の細かな条件は、各施設の最新案内で確認してください。

混んでいる日は、予定のメニューを詰め込まない

家では「50mを決まった間隔で繰り返す」と考えていても、一般開放では同じレーンの人が同じメニューをしているとは限りません。時計だけを見て出発すると、泳いで戻ってくる人の進路に入ってしまうことがあります。

出発する余地がなければ、その1本を待ちます。予定した間隔を保てないほど混んでいる日は、本数を減らす、使える別のコースをスタッフに相談する、練習を切り上げる方法があります。メニューどおりに終えるために周囲の人を急かさないことも、共有レーンでは必要です。

混雑しているからといって、急に隣のレーンへ横切って移らないようにします。移動できる場所や方法を確認してから替えてください。接触しそうな状況や、ルールを巡って困ることが続くなら、利用者同士で押し問答をせずスタッフへ相談します。

受付や着替えの流れから知りたい場合は、大人が一人でプールへ行く準備と当日の手順へ。初めての施設では、泳ぐ距離よりも先に、コースの使い方を尋ねる時間を取っておくと落ち着いて利用できます。

参考資料

以下は2026年9月5日に確認した公式案内です。施設例を全国共通のルールとして扱わず、利用当日の掲示・スタッフの指示を確認してください。