「赤い針が上に来たら出発」と言われて泳ぎ始めたものの、戻ったときには何秒かかったのか分からない。ペースクロックは動き続けるので、ストップウォッチのように到着時の数字がそのままタイムになるとは限りません。

見るのは、出発したときの表示と、到着したときの表示の差です。1分を超える場合は、何分経過したかも必要になります。ここでは時計を読むための架空の数値を使います。泳ぐ速さや休憩時間の推奨メニューではありません。

0と60は同じ位置、30は半周した位置

秒を示すアナログのペースクロックでは、針が1周すると60秒です。上の位置に「0」または「60」、下の位置に「30」があります。デジタル表示なら、秒の部分が「00」になるのが上に相当します。U.S. Masters Swimmingも、上から出る場合と30秒の位置から出る場合を区別して説明しています。ペースクロックの公式解説

まず、壁で落ち着いて時計の動きを見てください。普段の時刻を示す時計なのか、練習時間を読む時計なのか。分の表示はどこにあるのか。数字が小さくて読めない場合も、その場でスタッフやコーチに聞いておきます。

複数の色の針がある時計では、追う針を決めます。赤い針で出発したなら、到着時も同じ赤い針を読む。途中で別の色を見ると、経過時間を取り違えます。コーチの「上から」という指示だけでは色が分からなければ、出発前に確認しましょう。

最初から泳ぎながら時計を探す必要はありません。出発する壁と到着する壁から、どの時計を読めるかを先に確かめておくと、顔を上げて探す動作を減らせます。

秒表示が0をまたいだときのタイム計算

秒針の「10」で出て「48」に着き、その間に0を通過していなければ、48−10=38秒です。一方、「50」で出て、0を1回通過した後の「35」に着いたら、35−50とは計算できません。

この場合は、50から60までの10秒と、0から35までの35秒を足します。10+35=45秒です。

出発の
秒表示
到着の
秒表示
0を通過
した回数
経過時間
10480回38秒
50351回45秒
50352回1分45秒

下の2行は、出発と到着の秒表示が同じでも、タイムが1分違います。秒針の位置を2つ覚えるだけでは、長い距離のタイムを確定できないのです。

泳いでいる間に秒針が何周したか分からなくなるなら、分まで表示する時計を使うか、コーチなど計測する人にストップウォッチで測ってもらいます。普段のタイムから「たぶん1分台」と補った値を、実測値として記録しないようにしてください。

この時計で測るのは普段の練習の目安です。読み取った瞬間や壁を蹴る瞬間にもずれがあるため、秒単位の読みを大会の電気計時と同じ精度で比較することはできません。

1分15秒サークルは、次の15秒を待つだけではない

サークルは、出発から次の出発までの時間です。泳ぐ時間と休む時間の両方が入ります。到着から一定秒数休む「レスト」との違いは、練習メニューの表記と計算例で確認できます。

たとえば最初を0秒の位置から出て、1分15秒サークルで続けるなら、出発の秒表示は「0、15、30、45、0」と変わります。ただし、針が次に15へ来るのは15秒後です。1本目から2本目までは75秒あるため、その15秒後に出るわけではありません。

何本目の
出発か
1本目からの
経過時間
出発する
秒表示
1本目0分00秒0
2本目1分15秒15
3本目2分30秒30
4本目3分45秒45
5本目5分00秒0

この表の1本目を52秒で泳いだ場合、2本目までの休憩は75−52=23秒です。52秒の位置で着いたら、0を通過して15の位置になるまで待ちます。泳ぐタイムが変わっても、サークルを変えなければ予定の出発時刻は変わりません。

秒表示の並びだけを暗記するより、最初は「次は何分何秒に出るか」まで確認します。コーチが途中で設定を変えた場合も、前の並びをそのまま続けないようにします。

出発時刻を逃したら、隊列と設定を確認する

出発の指示を聞き逃したり、予定の時刻までに戻れなかったりしたとき、帳尻を合わせるために前の人へ急接近するのは避けます。次の出発をどうするか、コーチや同じコースの人と確認してください。一般開放なら施設の運用を優先します。

人の後ろについて出るだけでは、自分の出発時刻やタイムが分からなくなります。ただし、時計を守るために人の間へ割り込んでもいけません。コースを共有するときの出発・追い越し・休憩は、プールのレーンマナーも参考になります。

練習記録には、読めたタイムとサークルを別々に残します。「50mを4本、1分15秒サークル、1本目52秒」のように書けば、次回も同じ条件で比べられます。読めなかった本は空欄や「未測定」にして、練習記録のひな形へ残してください。

参考資料