練習会で渡されたメニューに「4×50m @1:00」「Des 1–4」。50mを4本泳ぐことは分かっても、いつ出発するのか、毎本どう泳ぎ分けるのかで迷うことがあります。

まず押さえたいのは、サークルは次の出発までの時間、レストは泳ぎ終えてからの休憩時間という違いです。ここが読めると、時計を見ながら練習に参加しやすくなります。

以下の距離・本数・タイムは、表記を読むために編集部が作った例です。練習量や目標タイムの推奨値ではありません。

「4×50m @1:00」を一行ずつほどく

メニューを読むときは、「何mを何本」「何で泳ぐ」「いつ出る」「どう泳ぐ」の順に区切ると整理できます。

たとえば「4×50m クロール @1:00、同じペース」なら、次の読み方になります。

表記読み方
4×50m50mを4本。
合計200m
クロール指定された泳法
@1:00この例では、
1分ごとに出発
同じペース4本のタイムを
そろえる

「1:00」は1分00秒、「0:45」や「:45」は45秒の表記です。USMSの用語集でも、距離を繰り返す回数と、分・秒で表す出発間隔を分けて説明しています。USMSの用語集

ただし、同じ資料には「@ :30 Rest」という書き方も登場します。この場合は30秒の休憩。@の記号だけで決めず、後ろにRestなどの指定があるかまで読むのが確実です。

海外のメニューでは距離の単位にも注意します。「4×50」だけを見て50mと読み替える前に、メートルかヤードかを確認してください。この記事の例はすべてメートルです。

泳ぐときに片道と往復が混ざる場合は、25m・50mプールで泳いだ距離の数え方で、1本の距離と壁へ着いた回数を照合できます。

サークルとレストは、時計のどこから数えるかが違う

サークルは、ある1本を出発してから次の1本を出発するまでの間隔。泳いでいる時間も、その後の休憩も含みます。英語の資料では「send-off interval」などと書かれています。

一方、レストは壁に着いてから数える休憩です。USMSは、出発を基準にする時間と、到着を基準にする時間を区別しています。Terry Heggyによる解説

50mを40秒で泳ぐ場合と、45秒で泳ぐ場合を比べてみます。表の「秒後」は、その1本を出発した時刻から数えます。

泳ぐ
タイム
1分
サークル
20秒
レスト
40秒20秒休む60秒後に
次を出発
45秒15秒休む65秒後に
次を出発

サークルの休憩は「60秒−泳ぐタイム」。レスト指定の出発間隔は「泳ぐタイム+20秒」です。

40秒で泳いだ1本だけを見ると、どちらも次の出発は60秒後です。しかし、泳ぐタイムが変わると違いが出ます。サークル指定では休憩が変わり、レスト指定では出発間隔が変わります。

「1分サークルで40秒だったから、1分休んで出る」と読むと、出発間隔は100秒になってしまいます。「1分の中に泳ぐ時間も入る」と一度言葉にすると、間違いを見つけやすくなります。

時計の使い方も、最初の1本だけ書き出しておくと安心です。0秒に出発して40秒に到着したなら、1分サークルの次の出発は1分00秒。1分15秒サークルなら1分15秒です。秒針しかない時計では、針の位置に加えて「何周したか」も見ます。

出発と到着の秒表示からタイムを求める計算や、75秒ごとの出発時刻は、ペースクロックの見方で例を追えます。

ディセンディングは本ごと、ビルドアップは1本の中で速くする

「だんだん速く」と言われても、速くする区切りが違えば別の練習になります。

ディセンディングは、同じ距離を繰り返しながら、泳ぐタイムを本ごとに短くする指定。ビルドアップは、1本を泳いでいる途中で徐々に速度を上げる指定です。USMSの成人向け練習ガイドも、この区切りを分けて説明しています。USMSの練習ガイド

読み方の例として、「4×50m、Des 1–4」を考えます。ここではDesをディセンディングの略として使っています。

本数泳ぐタイムの例
1本目50秒
2本目47秒
3本目44秒
4本目41秒

50→47→44→41秒と、1本全体のタイムが下がっています。これは意味を示すための数列で、3秒ずつ短くする決まりではありません。最初と最後をどの強さで泳ぐのかは、別途確認する必要があります。

対して「4×50m、各本ビルドアップ」なら、4本それぞれの50mの中で速度を上げます。1本ごとのタイムを順に短くすることまでは、この一文から読み取れません。「前半を抑え、後半で上げる」のか、より細かい区切りがあるのかも、メニューの補足を見ます。

なお、英語の「Descending Interval」は、出発間隔そのものを短くしていく別の指定です。泳ぐタイムを下げるのか、サークルを縮めるのか。Descendという単語だけで判断せず、何を変える指定かを確かめましょう。USMSの用語集

略語は「練習の内容」と「泳ぐ強さ」を分けて読む

数字が読めたら、その横の言葉を見ます。よく使われる練習内容には、次のようなものがあります。

  • Swim:手足を使って泳ぐ。泳法の指定も確認します。
  • Kick:キックの練習。姿勢や道具の指定も確認します。
  • Pull:腕を中心に泳ぐ練習。プルブイなどの使用を確認します。
  • Drill:技術に焦点を当てる練習。何のドリルかまで確認します。
  • SKPS:Swim→Kick→Pull→Swimの順で行います。

Pull、Drill、SKPSの基本的な意味はUSMSの用語集に沿っています。USMSの用語集

たとえば「200m SKPS、50mずつ」なら、50mのスイム、50mのキック、50mのプル、50mのスイムで合計200m。200mを4回という意味ではありません。

また、Drillは練習の種類であって、速さの指定ではありません。「50m Drill」だけでは、どの動きを直すのか、何のドリルをするのかは分かりません。EasyやHardなどの言葉が添えられている場合は、それも合わせて読みます。略語を覚えていても、書かれていない内容まで推測する必要はありません。

泳ぐ前に、分からない条件を一文で確認する

メニューを丸ごと覚えようとすると、出発前に頭がいっぱいになります。読めない箇所を絞って、次のように確認すると話が通じやすくなります。

  • 「これは1分ごとに出発ですか。それとも着いてから1分休みますか」
  • 「4本目はどのくらいまで上げる指定ですか」
  • 「Drillは何をしますか。道具は使いますか」
  • 「指定のサークルに間に合わない場合は、どう調整しますか」

集団練習では、前の人との出発間隔も別に確認します。自分が1本を泳ぎ終えて休む時間と、前の人を見送ってから出る時間を混ぜないようにします。

自分用のメモには、「50m×4本/1分ごとに出発/本ごとに速く/最後の強さは確認」と日本語で書き直してみてください。距離だけでなく、出発と泳ぎ方まで説明できれば、その一行を読めています。

読み方がつかめたら、次は練習の目的を決めます。目的別のセット練習メニュー例では、スピードや技術練習などの組み方を扱っています。メニューの数字をそのまま写す前に、自分が何を練習したいのかと、取れる休憩時間を照らし合わせてみましょう。

参考資料