
水泳のセット練習メニュー例|目的別5パターンで組み方を学ぶ
プールに着いてから、何を泳ぐか迷う。いつもの距離を終えても、何を練習した日だったか説明しにくい。そんなときは、今日の目的を一つ決め、準備の泳ぎ・メインセット・締めの泳ぎを組み合わせると、メニューを考えやすくなります。
セットとは、距離や本数、休憩などを決めた反復泳のまとまりです。この記事では、成人スイマーが自分の練習を組むための5パターンを紹介します。
以下の距離・本数は、編集部が作った組み立て例です。特定の研究で効果が証明された処方や、全員が泳ぐべき最低距離ではありません。
まず、自分が繰り返せる距離から選ぶ
以下の例は25mプールを想定しています。短い例の対象は、必要な呼吸を取りながら25mを余裕を持って泳ぎ、休憩を挟んで繰り返せる成人です。50m・100mの例は、その距離を無理なく続けて泳げる人向けです。
25mを泳ぎ切るだけで精いっぱいなら、本数をそろえるより、レッスンで呼吸や基本の泳ぎを確認する段階です。大人の水泳初心者が25mを目指す練習順で、今の段階を整理できます。再開したばかりの場合も、過去の自己ベストを今日の設定には使わず、今の泳ぎやすさを確認します。
USMSのメニュー作成ガイドも、目的と対象者の能力を先に整理し、休憩を泳力に合わせること、本数や1本の距離を調整することを説明しています。USMSの作成ガイド
最初に選ぶのは「今日は泳ぎのどこを見たいか」です。次に距離と本数を置きます。短い距離から始める場合は25mで区切り、速さを上げる例やレース配分の例は、基本の反復に慣れてから使います。
サークルとレストを決めて、合計距離を数える
メニューには「何mを何本」「泳法」「休憩」「目的」を書きます。たとえば「50m×4本、クロール、各本20秒レスト、同じペース」という形です。20秒は表記の例で、すべてのセットに共通する推奨値ではありません。
| 時間の指定 | どこから数えるか |
|---|---|
| 1分サークル | 出発から次の出発。 泳ぎ+休憩 |
| 20秒レスト | 到着から20秒休む |
計算例として、50mを40秒で泳ぎ、1分サークルなら休憩は20秒。45秒かかれば15秒に減ります。20秒レストなら、泳ぐ時間にかかわらず休憩は20秒です。USMSの休憩の解説
サークルがきつく、休む時間が取れなくなったら、出発間隔を延ばすか、距離・本数を見直します。略語や「ディセンディング」の読み方は、練習メニューの表記ガイドで確認できます。
次は、1回の練習を組み立てるための小さな枠です。準備と締めの距離も、その日の体調やメインの内容に合わせて変えます。
| 順番 | 組み立て例 | 距離 |
|---|---|---|
| 準備 | 25m×4本 楽に泳ぐ | 100m |
| メイン | 5例から選ぶ | 例による |
| 締め | 25m×2本 楽に泳ぐ | 50m |
準備と締めの泳ぎでも、各本で必要な休憩を取ります。この表なら、合計は「150m+メインの距離」です。準備をしても速さを上げる余裕がなければ、予定したメインに進まず内容を変えます。Swim Englandの導入セッションも、楽な泳ぎで始め、メインを挟んで楽な泳ぎで終える構成です。公式の導入例
目的別のメインセット5パターン
5つを一度に全部泳ぐ必要はありません。泳法は無理なく泳げるものを選び、タイムを比較するときはそろえます。休憩は秒数を先に固定せず、各例に書いた目的で次の1本に取り組める長さを探します。呼吸を我慢する指定は設けず、必要な呼吸を取って泳ぎます。
1. テクニックを確認する日:200m
「25mで一つの動作に注目→25mを普段の泳ぎ」で1組とし、4組。合計は(25+25)×4=200mです。
見ることは、コーチから教わった呼吸や入水など一つに絞ります。25mごとに壁で休み、気づいたことを整理してから次へ。すでに習ったドリルがあれば前半に使えますが、やり方が分からないドリルを名前だけで選ぶ必要はありません。
後半の通常泳でも同じ点を意識できたかを確認します。ストローク数を減らすことだけを目標にせず、タイムや泳ぎやすさも一緒に見ます。2組に減らす場合は100m、上の枠と合わせて250mです。
2. 持久力を意識し、ペースをそろえる日:300m
50m×6本を、各本のタイムをそろえるつもりで泳ぎます。合計は50×6=300mです。
最初の1本だけを速くせず、続けられるペースから始めます。各本後に休み、同じペースで次を泳げるかを見ます。終盤の遅れが大きければ、休憩を延ばす、本数を減らす、1本を25mにする、といった調整をします。
準備100m・締め50mを加えると450m。50mがまだ長い人は、メインを25m×4本=100mに置き換えれば、全体は250mになります。距離の変更が効果にどう関わるかは、50mと100mのインターバル比較で、ペースや休憩の条件と合わせて説明しています。
3. スピードの変化を確かめる日:200m
「25mを普段より速く→25mを楽に」で1組とし、4組。合計は(25+25)×4=200mです。
基本の反復に慣れ、速さを変えても呼吸や動作を保てる人向けです。速い25mの後も、楽な25mの後も壁で休みます。楽な25mを挟んだから十分回復した、と決めず、次も同じように泳げるまで休憩を取ります。
これは全力スプリントの処方ではなく、速さを変えたときのタイムと動作を確かめる例です。次の速い25mで動作を保てなければ、休憩を延ばすか、その日の速い反復を終えます。最高速度を狙う設定は、指導者と別に組みます。
4. レースの前半・後半を考える日:200m
100m×2本を泳ぎ、各本の前半50mと後半50mを記録します。合計は100×2=200mです。
100mを無理なく泳げ、通過タイムを確認できる人向けです。1本目と2本目で設定を比べたい場合は、泳法や出発方法など、ほかの条件も記録します。各100m後は、次の配分を考え、落ち着いて取り組めるまで休みます。
全力のタイム測定を前提にはしません。まずは指導者と決めた配分や、普段泳げるペースを確かめます。途中に休憩を挟むブロークン練習とも分け、練習のタイムがそのまま大会記録になるとは考えません。
5. 軽めに泳ぐ日:200m
50m×4本を楽に泳ぎます。合計は50×4=200mです。
普段の泳ぎの感覚を確かめる日に使う例です。各本で必要な休憩を取り、追い込むためにサークルを短くしません。50mでは楽に泳げなければ25mに区切り、予定した総距離にもこだわりません。
「疲れているから泳いで取り除く」と必ずプールに入る必要はありません。休養する選択もあります。この例は、泳げば休むより必ず回復が早まるという意味ではありません。
初心者や時間が少ない日は、どこを短くするか
まず減らす候補はメインの本数です。「50m×6本」を4本にすれば、メインは200mになります。1本の距離を変えた場合は、合計も計算し直します。50m×4本を25m×4本に変えると、200mから100mになります。
所要時間は泳ぐ速さと休憩で変わるため、同じ450mでも全員が同じ分数では終わりません。使える時間の中に、準備・メイン・締めを収めます。残り時間が少ないときに、休憩だけ削って予定本数を詰め込まないようにします。
これらは25mプールで区切れる例です。50mプールで途中に立ち止まれる場所があるとは限りません。施設のコース運用や使える道具を確認し、途中停止を前提にした例をそのまま持ち込まないでください。
Swim Englandの導入ガイドも、終盤がつらかった場合は次回も同じ段階を繰り返す考え方を示しています。毎回距離を増やすことを進歩の条件にしなくて大丈夫です。セッション後の振り返り
次のメニューは、終わった後の一行から決める
練習後は「メインの目的・実際に泳いだ距離と本数・休憩・タイムや動作の気づき」を残します。たとえば「50m×4本。後半2本は休憩を延ばした。次回も同じ本数で様子を見る」という記録です。
書き方に迷う場合は、水泳の練習記録の記入例とコピー用ひな形を使ってください。予定したメニューと実際のタイムを分けて残せるCSVも用意しています。
週に泳げる回数が少なくても、毎回最もきついメニューを選ぶ必要はありません。次に泳ぐ日の体調と、前回確認できなかった点から目的を決めます。「週何回なら何秒伸びる」という約束ではなく、自分が続けて確かめられる形に整えていきます。
泳法ごとの技術や、別の練習テーマを探したいときは、練習に使える記事一覧から確認できます。
更新履歴:2026年9月5日、対象泳力と距離計算を明確にし、休憩・生理的効果・練習頻度に関する一律の説明を見直しました。


