
水泳のラップタイムの見方|累積・区間タイムを計算する
100mの記録表に、50mの欄は「35.20」、100mの欄は「1:13.60」とある。後半の50mは何秒だったのでしょうか。
この数字がスタートからの累積タイムなら、後半50mは、ゴールのタイムから50m通過のタイムを引いて求めます。 上の例では38秒40です。ゴールまでの数字と、途中の区間だけにかかった数字を分けると、記録表を練習の振り返りに使いやすくなります。
以下のタイムと表はすべて、計算を説明するためにSwimHub編集部が作成した架空の例です。目標タイムや、理想のペース配分を示すものではありません。
累積タイムと区間タイムの違い
累積タイムは、スタートからその地点までにかかった時間です。100m種目なら、50mの累積は前半50mまで、100mの累積はゴールまでを表します。
区間タイムは、ある地点から次の地点までにかかった時間。50mごとの区間なら、0〜50m、50〜100m、100〜150mというように、連続した部分に分けます。
| タイムの種類 | 100mの例 | 何を表すか |
|---|---|---|
| 50mの累積 | 35秒20 | スタートから50mまで |
| 100mの累積 | 1分13秒60 | スタートからゴールまで |
| 50〜100mの区間 | 38秒40 | 後半の50mだけ |
記録表の数字が上下に並んでいるときも、両方を足さないようにします。公式記録の一例として、BUCS長水路選手権2026の結果表では、同じ通過距離に累積と区間の数字が並んでいます。
「ラップ」「スプリット」という言葉だけで、どちらの数字かを決めつけないほうが確実です。列名、凡例、表示されている距離を確認し、自分のメモには「累積」「区間」を書き添えておきます。
100mの後半50mを、累積タイムから求める
計算式は、後半50m=100mの累積−50mの累積です。
冒頭の例を計算してみます。1分13秒60をそのまま小数の「1.1360」と扱うことはできません。1分は60秒なので、いったん秒にそろえます。
- 1分13秒60を、60+13.60=73.60秒に直す。
- 73.60−35.20=38.40秒。
- 後半50mは38秒40と記録する。
これで前半35秒20、後半38秒40がそろいました。前半と後半の差も知りたければ、38.40−35.20=3.20秒です。この例では、後半に3秒20長くかかっています。
確かめ算は、前半と後半を足すだけです。35.20+38.40=73.60秒となり、ゴールの1分13秒60に戻ります。元の数字が区間タイムとして表示されていた場合は、その数字を使い、さらに前の区間を引かないでください。
200mを50mごとの記録表に直す
200mでも、隣り合う累積タイムの引き算です。距離が伸びても計算方法は変わりません。
| 通過距離 | 累積タイム | 直前からの50m区間 |
|---|---|---|
| 50m | 34秒80 | 34秒80 |
| 100m | 1分12秒40 | 37秒60 |
| 150m | 1分50秒90 | 38秒50 |
| 200m | 2分29秒20 | 38秒30 |
たとえば100〜150mは、110.90−72.40=38.50秒。150〜200mは、149.20−110.90=38.30秒です。最初の50mだけは、スタートを0秒として考えるので、累積と区間が同じ数字になります。
100m単位にまとめるなら、前半100mは1分12秒40、後半100mは149.20−72.40=76.80秒、つまり1分16秒80。後半は前半より4秒40長くかかったことが分かります。
計算した4つの50mを足すと、34.80+37.60+38.50+38.30=149.20秒です。合計がゴールのタイムと違ったら、分を秒へ直すところ、引く相手、数字の転記を見直します。
150mの通過が載っていなければ、後半100mまでは計算できますが、それをさらに2つの50mへ正確に分けることはできません。半分ずつに割って「38秒40、38秒40」と埋めると、実際には測っていない区間を作ってしまいます。記録のない欄は空けるか「未計測」と残します。
ラップの差だけで、失速の原因までは分からない
区間に分けると、どこで長く時間がかかったかは分かります。ただ、後半が遅かったという数字だけで、体力不足や呼吸の失敗と決めることはできません。
自分のレースを比べるときは、泳法と距離に加え、短水路・長水路、スタートの方法、計時方法を残します。大会の公式結果と、練習で仲間がストップウォッチを押した記録は、同じ欄に混ぜず、それぞれの条件を添えておきます。
同じ50m区間でも、最初はスタートから、途中の区間はターンをはさんで泳ぎます。水路によってターンの回数も異なります。短水路と長水路の違いを確認しておくと、条件の違うラップを並べることを避けられます。
泳いだ直後なら、「最後のターンで壁との距離が合わなかった」など、自分が覚えている動きも添えます。タイムは計算結果、泳ぎの感想は本人の記憶として書き分けると、後から動画やコーチの観察と照らし合わせやすくなります。
400mの泳ぎ方まで考えたい人は、400m自由形のペース配分へ。累積を区間に直す作業と、次のレースでどの配分を狙うかは別の段階です。
初めて大会へ出る予定なら、初めての大会の持ち物と当日の流れも使えます。記録表を保存するときは、ゴールのタイムだけを切り取らず、種目名と通過距離が一緒に読める状態で残しておきましょう。
練習の手動タイムと大会結果を比べるときは、飛び込み・壁蹴りと計り方の違いも確認できます。次の大会で分析用の映像を残すなら、レース動画に合図と壁を収める撮り方を撮影前に読んでおくと、必要な場面を残しやすくなります。
参考資料
- BUCS / Swim England掲載:BUCS Long Course Swimming Championships 2026 Results – Session 1(2026年2月13日発行、2026年9月5日確認)


