25mを数えたら20回だったのに、時計には10回と出ている。仲間とストローク数を比べたら、自分だけ倍近く多い。泳ぎの違いを見る前に、そろえたいのが「何を1回と数えたか」です。

ストローク数は、数える単位と、数えた範囲を添えて記録します。 20回という数字だけでは、片腕ごとなのか、左右一組なのか、壁を蹴ってからどこまで泳いだのかが分かりません。ここでは、クロールを中心に手動で数える手順を決めます。

クロールの「片腕1回」と「左右で1回」は違う

クロールと背泳ぎでは、左右の腕を別々に数える方法と、左右の動きを一組にする方法があります。U.S. Masters Swimmingの練習用語ガイドも、手の入水ごとに数える指導者と、ストロークサイクルで数える指導者がいると説明しています。

記録する
単位
クロールで
数える動き
計算上の
対応例
片腕ごと右で1回、
左で1回
左右を各10回
動かせば20回
1サイクル右と左の
一組で1回
左右10組なら
10サイクル

「片腕で数える」は、右腕だけを数える意味ではありません。左右それぞれの動作を1回ずつ数えます。右腕だけを目印にして周期を測る場合は、「右腕を基準にサイクル計測」と別に書くと混ざりません。

平泳ぎやバタフライのように両腕を同時に動かす泳法では、その一組の動作を1サイクルとして扱えます。クロールの「片腕の回数を2で割る」という換算を、両腕同時の動きにそのまま当てはめないようにします。

この表は数え方の説明で、20回や10サイクルを目標にするものではありません。回数と速度の関係は、ストローク長とピッチの考え方で扱っています。

ひとかき目と最後のタッチを、毎回同じように数える

入水で数える人と、かき始めで数える人では、壁の近くで回数がずれることがあります。頭が浮いた瞬間と、腕を動かし始めた瞬間も同じとは限りません。

自分の練習記録には、たとえば次の方法を使えます。これは編集部が記録の境界をそろえるために示す一例で、競技規則で定められた数え方ではありません。

  1. 壁を蹴った後、最初に片腕でかき始めたら「1」と数える。
  2. 反対の腕でかき始めたら「2」。以後も左右それぞれのかき始めで数える。
  3. 壁に触れるまでにかき始めた腕は数える。前に伸ばしたままタッチした手は、タッチだけを理由に1回足さない。
  4. 着いたら「25m、片腕ごと、かき始めで計測」と回数を残す。

途中で分からなくなったら、推測で埋めずに「数え直し」と記録します。呼吸や周囲の確認が難しくなるほど、数えることへ集中する必要はありません。泳ぎながら難しい場合は、指導者に数えてもらう方法もあります。

動画を使える施設なら、同じ映像を、回数を数える回とタイムを見る回に分けて確認できます。画面外になった腕を想像で数えたり、見えなかった最後の一かきを切り捨てたりせず、見える範囲を記録に添えてください。

壁蹴りが長くなれば、腕で泳ぐ区間は短くなる

25m全体のストローク数には、壁蹴りから最初のひとかきまでの距離も影響します。同じ壁に到着するまでを数えていても、泳ぎ始める位置が変われば、腕を動かして進む残りの距離が違うためです。

架空の例として、最初のかき始めが壁から約3mの日と、約6mの日を考えます。後者で回数が減っても、その数字だけでは「ひとかきで進む距離が伸びた」とは判断できません。スタート直後の条件が変わっています。

また、25mを片腕の回数で割った値には、腕をかいていない区間も含まれます。その値を、泳いでいる区間だけで測ったストローク長と同じものとして扱わないようにします。

手軽に比べるなら、壁から出発する方法、最初にかく位置、使う道具をできる範囲でそろえます。毎回の位置を細かく測れない場合も、「いつもより長く滑った」と残しておけば比較から外せます。回数を減らすために水中区間を延ばす必要はありません。

50mの記録へ変えるときも、25mプールの往復と50mプールの片道では壁蹴りの回数が違います。短水路と長水路の違いを踏まえ、水路が違う記録は分けて残します。

時計のストローク数とは、数える単位を照合する

Garmin Swim 2の公式マニュアルでは、装着した腕が一つの完全なサイクルを終えるたびにストロークを数えると説明されています。左右の腕を別々に数えた手動記録と、そのまま並べられるとは限りません。

ただし、時計の数字を常に2倍すれば手動記録と一致する、とも決めつけられません。数える単位がそろっても、最初と最後の動作の扱い、計測した区間まで一致しているかを確かめる必要があります。ほかの機種へ、この機種の定義を当てはめることも避けます。

記録欄を「手動・片腕ごと」と「時計の表示値」に分けておけば、後から定義を確認できます。左右の動作が一組にならず、片腕の回数が奇数になった場合も、見栄えをそろえるために丸めず、数えた値のまま残しましょう。

同じ条件の25mを、タイムと一緒に残す

以下は記録方法を示す架空の例です。いずれもクロール25m、道具なし、壁を蹴って出発し、先ほどの「片腕のかき始め」で数えたものとします。

記録25mの
タイム
片腕ごとの
回数
最初にかいた
位置・メモ
A26.0秒22回頭の位置で
壁から約4m、
途中停止なし
B26.4秒21回頭の位置で
壁から約4m、
途中停止なし
C25.5秒19回頭の位置で
壁から約7m、
長く滑ってから開始

AとBは近い条件で比べられますが、Cは腕を使い始める位置が違います。3本を「少ない順」に並べるだけでは、その違いが消えてしまいます。

このほか、泳いだ順番、前の泳ぎからの休憩、混雑で止まったかどうかも短く添えます。小さな差を1本で良し悪しに結びつけず、同じ数え方で記録が残る状態をつくるためです。練習記録のひな形に、数え方と回数の欄を足すと続けて使えます。

参考資料