
25mスプリントは何秒休む?水泳の休息時間と本数の決め方
25mを速く泳ぎたいのに、短い休憩で何本も繰り返すうち、タイムが落ちて腕も回らなくなる。そんな日は、本数を増やす前に休息の取り方を見直す余地があります。
1本ごとの速さを確かめるスプリントでは、次の25mでも狙った泳ぎができるように休みます。 「25mなら何秒休めば十分」という全員共通の答えはありません。実際のタイムと動きを見ながら、休息を延ばすか、本数を減らすかを決めます。
対象は、25mを余裕をもって泳げ、普段から短いスプリント練習に取り組んでいる大人のスイマーです。初めて25mの完泳を目指す段階なら、大人の水泳初心者の練習順から始めてください。
25mのスプリントでは、各本の速さと動きを見る
「25m×8本」と書かれていても、毎回できるだけ速く泳ぐのか、50mや100mのレースで使うペースをそろえるのかで、休み方は変わります。練習前に、コーチと確認しておきたい部分です。
U.S. Masters Swimmingの練習ガイドは、最大速度を狙うセットには長い休息が必要で、休息量は泳力や練習の目的に合わせて調整すると説明しています。休息とセットの目的について
速さを確かめる日なら、「予定本数を終えた」に加えて、各本の実測タイムを残します。最後の数かきで腕が戻りにくくなった、呼吸のたびに身体が大きく揺れた、といった変化も記録すると、次回の相談に使えます。観察する動作は一度に増やしすぎず、普段から気にしている点に絞ると比べやすくなります。
比較する条件もそろえます。泳法、プールの長さ、壁蹴りか飛び込みか、計測の始点と終点。これらが変われば、同じ25mでもタイムの意味が変わります。練習タイムと試合タイムの違いも確認しておきましょう。
「2分サークル」と「2分休む」は、次の出発時刻が違う
休息を相談するときは、「何分で回すか」だけでなく、到着してから何秒休めるのかを確認します。
計算例として、25mを20秒で泳ぐ人が2分サークルで出発するなら、到着後の休息は120−20=100秒です。2分レストなら、到着してから120秒休むので、出発から次の出発までは140秒になります。これは表記を読むための例で、推奨するタイムや休息ではありません。
サークルでは、泳ぐのが遅くなった分だけ休息が短くなります。レスト指定なら、泳ぐ時間が変わっても到着後の休息をそろえられます。どちらの指定でも、時計の時刻だけを理由に、整わないまま次へ出発する必要はありません。サークル・レストの表記ガイドと合わせて、メニューを読むと分かりやすくなります。
休息中に泳ぐなら、その泳ぎも負荷に含める
1本の後にゆっくり泳ぐ「アクティブリカバリー」も、身体を動かす時間です。名前に「回復」と付いていても、その泳ぎを速くしすぎると、次のスプリントに影響することがあります。
Toubekisらの研究では、男女各8人が25mを8本泳ぎ、休息45秒・120秒と、止まって休む・泳いで休む条件を組み合わせて比べました。泳いで休む速さは、個人の100mベストの平均速度の60%です。この設定では、反復中のタイムは止まって休む条件より遅くなりました。2005年掲載の研究要旨
別の研究は男性競泳選手10人を対象に、25m×8本の休息を120秒にそろえ、止まる場合と、100mの速度の40%・60%で泳ぐ場合を比較しています。60%で泳いだ条件は、止まる条件や40%の条件より、25m反復のタイムが遅い結果でした。2011年掲載の研究要旨
どちらも限られた人数・設定での、その日の反応を調べた研究です。ここから「全員が2分休めば回復する」「泳がず休むほうが長期的にも必ず速くなる」とは言えません。また、研究の速度の割合は、本人が感じる力の入れ具合の割合とは別です。
自分の記録には、休んだ秒数と、間に泳いだ距離・泳ぎ方を分けて残してみてください。「休息90秒」と書いていても、その中で速めの50mを泳いでいたなら、壁で休んだ90秒とは比較条件が違います。
25m×4本の記録から、残りの本数を決める
以下は、設定の見直し方を示す架空の記録です。4本・90秒という数字が、研究で全員に適すると確認されたメニューではありません。普段からスプリントを行う人が、アップを終えて段階的に速さを上げた後、コーチと相談して決めた設定とします。
条件は25mプール、クロール、壁蹴り、同じ人による手動計測。予定は25m×4本で、各本の到着後に90秒休む設定です。
| 本数 | 25mタイム | 泳いだ後に残したメモ | 次の出発まで |
|---|---|---|---|
| 1本目 | 18.5秒 | 普段の呼吸で泳げた | 90秒休息 |
| 2本目 | 18.7秒 | 大きな動きの変化は感じなかった | 90秒休息 |
| 3本目 | 20.3秒 | 終盤に腕が戻りにくくなった | ここでセットを終了 |
| 4本目 | 実施せず | 次回は休息の設定を相談する | — |
この例の実施距離は25m×3本=75mです。予定の100mとは分けて記録します。

速い泳ぎを繰り返すときの確認手順を示した図です。コマをつなぐ矢印は判断の順番を表し、休息時間や回復の速さを示すものではありません。続ける場合も、休息の設定とその日の状態を合わせて判断します。
18.5秒と18.7秒の小さな差だけで、疲労の有無を決めることはできません。手動計測には、押す時機の違いも入ります。一方、この架空例ではタイムの低下に加え、泳者が感じた動作の変化も残っています。
残りを続けるかは、コーチと確認します。休息を延ばしてから再開する案も、そこで終える案もあります。「何%落ちたら必ず終了」という線をこの例から作らず、開始前に決めた目的と、泳いでみて分かったことを照らしてください。体調が悪い、痛みがある場合は、タイムの評価より中止を優先します。
25mでも必要な呼吸を取り、休む場所を確保する
25mでも、呼吸を我慢して泳ぎ切ることを条件にしません。長い潜水や、息止めの限界を競う練習に変えず、必要なときに呼吸します。USA Swimming掲載の共同啓発資料も、過換気や長い息止めを避け、泳者ごとに必要な回復時間を取るよう案内しています。共同啓発資料
一般開放では、速く泳げるコースか、長めの休憩をどこで取れるかを施設のルールで確認します。他の人のターン位置に立ち続けたり、予定の出発を守るために無理に追い越したりしないようにします。混雑して条件を確保できなければ、別の練習に切り替えます。レーンマナーと休憩位置も確認してください。
50mプールでは、途中の25m地点で止まって同じ休み方ができるとは限りません。この記録例は25mプール用です。
練習後は「予定4本、実施3本。休息は90秒。3本目にタイムと動きが変わった」のように一行を残します。次回は休息を変えるのか、本数を変えるのかを、その記録から決めていきます。練習記録のひな形を使うと、予定と実施を分けて残せます。
参考資料
- U.S. Masters Swimming. Swimming 101: How to Start Swim Training as an Adult. 休息表記とセットの目的を確認。閲覧日:2026年9月9日。
- Toubekis AG, Douda HT, Tokmakidis SP. Influence of different rest intervals during active or passive recovery on repeated sprint swimming performance. Eur J Appl Physiol. 2005;93:694–700. オンライン公開:2004年11月20日。本文での紹介は公開要旨で確認できる範囲。
- Toubekis AG, et al. Repeated sprint swimming performance after low- or high-intensity active and passive recoveries. J Strength Cond Res. 2011;25(1):109–116. 本文での紹介は公開要旨で確認できる範囲。
- American Red Cross・YMCA of the USA・USA Swimmingによる啓発資料. Hypoxic Blackout: A Partnership to Raise Awareness. 2017年。閲覧日:2026年9月9日。
出典
- Swimming 101: How to Start Swim Training as an Adult
- Toubekis et al. Influence of different rest intervals during active or passive recovery on repeated sprint swimming performance
- Toubekis et al. Repeated sprint swimming performance after low- or high-intensity active and passive recoveries
- Hypoxic Blackout: A Partnership to Raise Awareness(USA Swimming掲載の共同啓発資料)


