大会の申込欄に「エントリータイム」とある。昔の自己ベストを書くのか、最近の大会記録か、それとも練習で測ったタイムか。久しぶりに出場する人や、まだ大会記録がない人には迷いやすい欄です。

出場する大会が求める記録の条件を読み、その条件に合うタイムを選びます。 どの大会でも生涯ベストを使う、練習タイムでよい、という共通の決め方はありません。数字だけを責任者へ渡さず、種目・水路・計測日も添えると相談しやすくなります。

チーム登録や申込の担当者がまだ決まっていない場合は、マスターズ水泳の登録と大会申込から確認してください。ここでは、出場種目が決まった後のタイム選びを扱います。

会員ページの自動入力は、自己ベストとは限らない

日本マスターズ水泳協会の競技者向け手順書には、同じ種目に出場したことがある場合、直近の記録が入力されるとあります。状況によって書き換えて申し込む案内もあり、自動表示された数字が今回の申込に適しているとは限りません。公式手順書・冊子5ページ

表示されたタイムを見たら、何の記録か手元の結果と照合します。以前より速く泳げるようになった場合だけでなく、長いブランクがある場合も確認が必要です。ただし、最近の状態に合わせて変更できるかは、その大会の指定が前提になります。

速い組で泳ぎたいから数字を小さくする、楽な組に入りたいから大きくする、という決め方はしません。例えばジャパンマスターズ2026では、エントリータイムを組み分けに使い、参加標準記録のある種目では実際の結果との差に関する規定も設けています。申込タイムは目標を書くだけの欄ではなく、大会運営にも使われる情報です。同大会の競技方法・制限

種目・水路・計測日をそろえて記録を探す

「50mを34秒台」だけでは、どの数字を入力すればよいか決められません。泳法と距離に加えて、25mプールか50mプールか、大会での記録か練習での計測かを確かめます。

次は、同じ人の50m自由形を想定した架空の整理例です。申込タイムの推奨値ではありません。

記録タイム一緒に残す条件
大会A34秒2825mプール、
大会記録、2026年4月
大会B35秒7050mプール、
大会記録、2026年7月
練習35秒925mプール、壁蹴り、
手動計測、2026年9月

この3つを小さい順に並べ、先頭をそのまま申込欄へ移すわけではありません。水路や記録の種類に指定があるなら、その条件で候補を絞ります。指定が読み取れなければ、表のように条件を示してチーム責任者へ確認します。

短水路の記録へ一律に何秒かを足して、長水路の記録として扱うのも避けます。換算を認める大会なら、その大会が指定する方法を使います。プール長による違いは、短水路と長水路のタイムの見方で確認できます。

公認記録がないときは、測った条件ごと相談する

初出場なら、手元にあるのが練習タイムだけということもあります。要項で認められる記録の種類を読み、判断できなければ入力前に相談してください。「記録なし」を表す記号や空欄が使えるかも、申込画面と大会の案内に従います。

相談するときは、出場種目と、途中で休まずにその距離を泳いだタイムを伝えます。壁を蹴って出たのか、飛び込みだったのか、誰が何で測ったかも添えます。短い距離のタイムを単純に倍にした数字や、休憩を挟んだセットの合計は、その距離を続けて泳いだ記録とは区別してください。

例えば「100m自由形に出たいが大会記録はない。25mプールで壁から出て100mを続けて泳ぎ、手動で測った記録がある」と伝えれば、確認すべき条件が具体的になります。責任者だけで分からない場合は、大会が指定する問い合わせ先へ確認します。

記録を探し直せるよう、練習記録の書き方を使って計測日と条件を残しておきましょう。申込のために、不慣れな飛び込みや無理なタイム測定を急いで行う必要はありません。

参加標準記録がある種目は、入力する数字だけでは決まらない

エントリータイムと参加標準記録は役割が違います。前者は申し込む際に伝えるタイム、後者は大会が定める参加条件です。標準記録より速い数字を入力すれば、条件を満たせるわけではありません。

ジャパンマスターズ2026では、100m以上の種目に参加標準記録を設けています。さらに800m・1500m自由形には、2024年1月からの主催・公認大会で標準記録を突破しているという条件があります。同じ大会でも、種目によって記録の確認方法が異なります。同大会開催要項・「6.制限」

これは2026年の同大会を例にした説明です。出場する大会では、標準記録の表だけでなく、対象期間、水路、公認記録の必要性、証明方法まで読みます。自分の年齢区分と種目を確かめ、条件に合う結果を手元に用意してください。

分・秒・100分の1秒を、送信前に読み返す

2026年度日本マスターズ短水路大会の要項は、エントリータイムを100分の1秒単位で正確に入力・記入するよう求めています。同大会の申込注意事項

例えば1分08秒47なら、分・秒・100分の1秒が別欄の場合は「1」「08」「47」に対応します。一つの欄に入力する場合は、画面に示された書式を使います。練習で記録していない桁を、精密に測れた数字のように扱わず、必要な表記方法を担当者へ確認してください。

送信前には、選択した種目とタイムを元の記録に戻って照合します。タイムの根拠を伝えた後も、競技者本人の入力だけで申込が完了するとは限りません。協会の手順書ではチーム責任者の承認・最終手続きが必要です。

申込を終えたら、そのとき使ったタイムと記録の出所を残します。その後の持ち物や招集の準備は、初めての水泳大会の確認リストへ進めます。

参考資料

資料確認日:2026年9月6日。申し込む大会の最新要項と案内を確認してください。