顔を横に向けた途端に腰や脚が下がり、立て直そうとキックを強く打つ。クロールの息継ぎでこうなると、息は吸えても、そのたびに泳ぎが止まる感じがします。

見直したいのは、頭を高く持ち上げていないか、身体の回転と呼吸が合っているか、前の手で水を下へ押していないかです。脚が下がった場面だけでなく、その直前から見ていくと、指導者へ相談する動作が具体的になります。

顔つけや、浮いてから立つ動作がまだ不安な場合は、大人の初心者が25mを目指す練習順から、今の技能に合う練習を教わってください。ここでは、短い距離を呼吸しながら泳ぐ人の確認点を扱います。

横を向く前に、頭が上へ動いていないか

息を吸う前にいったん正面を見て、それから顔を横へ向けていないでしょうか。「横を向いているつもり」でも、その前に頭が上がっていることがあります。

USMSの呼吸ガイドは、頭を持ち上げる動作が腰の沈みや腕の補う動きにつながると説明しています。横から見てもらうときは、口が水上へ出た瞬間だけでなく、顔を向け始める直前の頭の高さも比べます。USMSの呼吸ガイド

目標は、頭全体を水上へ出すことではなく、口を水面から出して息を吸えることです。Swim Englandも、顔の片側を水中に残し、頭を上げすぎない呼吸を案内しています。Swim Englandのクロール解説

ただし、「低くしよう」と顔を押し込んで水を飲んでしまうなら、そのまま続けません。口が出る位置と身体の向きを指導者に見てもらいます。ゴーグルの見える面積や水面からの高さだけで、全員の正解を決めることはできません。

息継ぎのとき以外も脚が低い場合は、呼吸だけの問題とは限りません。クロールで脚が沈むときの姿勢の確認では、腰やキックを含めた見方を扱っています。

首だけで横を向かず、肩の回転と合わせる

顔を水面へ近づけるために、首を強くねじる必要はありません。肩や胴体が水面に対して左右へ回る動きに、呼吸するときの頭の向きを合わせます。この身体の回転がローリングです。

たとえば右で息を吸う場面なら、右肩が回る動きと頭の向きが合っているかを見ます。胸がずっと底を向いたまま、頭だけを右上へ引き上げていれば、その組み合わせを指導者へ伝えます。肩を回すことと、腰を横へ折ることも別の動作です。

回転は少ないほどよい、というわけでもありません。男性競泳選手12人が全力の25mを泳いだ研究では、呼吸しない条件と比べ、呼吸する条件で呼吸側への肩と腰の回転が増えました。ただし、左右全体の回転量には有意な差がなく、初心者に最適な角度を示した研究ではありません。Psycharakis・McCabeの研究要旨

動画から首や肩の角度を何度にそろえるより、「口を出すために頭を持ち上げたか」「回転したあと横向きの姿勢に残っていないか」を確認します。首や肩に痛みが出る動きは中止し、可動範囲を無理に広げないでください。

前の手で水を下へ押して、顔を支えていないか

右で呼吸するなら、前方にある左手にも目を向けます。息を吸う瞬間だけ左手が深く下がり、その動きに合わせて頭が持ち上がっていないかを見てください。

頭を出そうとして前の手で水を下へ押す動きは、USMSのガイドにも挙げられています。前の手が沈む映像を見て、すぐ「もっと腕に力を入れて支える」と考えず、頭と手の動きを一緒に確認します。

Swim Englandの呼吸解説では、顔を向けるときに反対の腕を肩の前方へ伸ばしておくことが案内されています。ただし、手を水面に固定して長く待つという意味ではありません。呼吸して顔を戻す流れと、前の腕でかき始める時点を合わせるための手がかりです。Swim Englandの呼吸の説明

相談するときは「前の手が落ちています」だけでなく、「顔を上げるより先に手が下がる」「口が出るときに手が真下へ動く」など、見えた順番を伝えます。一つの静止画では、かいている途中の正常な動きと区別しにくいので、数秒の映像を続けて見ます。

水中で吐き、吸った後は顔を戻す

水中で息を止め、口が出てから吐いて吸おうとすると、顔を横へ向けている間に二つの動作を済ませることになります。水中で吐き、水上で吸うつながりを確かめてください。Swim Englandもこの区別を案内しています。

吐く量を増やそうと、限界まで吐き切る練習にする必要はありません。呼吸が慌ただしくなる場合は、足がついて練習を止められる場所で、指導者と短く区切って確認します。

吸った後も顔が横を向いたままになっていないか、戻すところまで見ます。呼吸側の手が水へ戻る場面と合わせて再生すると、頭だけが横に残る動きを相談しやすくなります。

また、息継ぎを3かきに1回へ固定することが解決策とは限りません。必要な空気を得られる頻度で練習し、回数を減らして我慢する方法は使わないでください。苦しさや怖さが出たら泳ぎ続けず、安全に止まって指導者へ伝えます。

横からの動画は、呼吸の前後を続けて見る

撮影できる施設やレッスンなら、許可と周囲の人への配慮を確認してから、自分の泳ぎを横から撮ってもらいます。撮影できなくても、指導者にプールサイドから見てもらい、同じ内容を相談できます。

以下は、映像を見るために編集部が作成した確認表です。該当数で原因を診断するものではありません。

映像を止める場面前後を見て確かめること
顔を向け始める前頭が先に持ち上がるか、前を見るか
口が水上へ出るとき肩も回っているか、前の手が真下へ動くか
息を吸った後顔を戻せているか、横向きのまま残るか
次のかきへ進むとき腰や脚の位置、腕のリズムがどう変わるか

水しぶきや撮影角度で見えない動きは、推測で埋めません。水面上の動画から手の深さが分からなければ、「前の手は未確認」として、指導者に別の角度から見てもらいます。

練習では、呼吸を保てる短い区間を指導者と決めます。普段の泳ぎを見てもらった後、指摘された頭や腕の動きを意識して泳ぎ、口が出るか、顔を戻せるかを確認します。25mを最後まで泳ぐことより、息継ぎを含めた動作を落ち着いて終えられる距離で比べてください。

終わったら「前の手を押し下げないよう意識した」「呼吸のあとに顔を戻しやすかった」など、試したことと本人の感覚を別々に残します。動画で見えたことも添えるなら、練習記録のひな形を使えます。呼吸のしやすさを確かめながら、指導者と次の距離へつなげていきます。


更新履歴:2026年9月6日、息継ぎの前後で見える動作を中心に再構成。頭・回転・前の手・呼吸のつながりを確認する表を追加し、フォームを示すAI生成画像を外しました。

参考資料